変わってしまった世界の中で

去年の10月のことを、思い出してみる。そのとき旅した南ヨーロッパは、明るい光と色彩に満ちあふれていた。人気の観光地は、どこも各国からのお客で賑わい、笑顔と陽気な声が飛び交っていた。 それからわずか半年。世界の様相が、ここまで一変してしまうなど…

バルセロナ・ガウディ建築と海辺のレストラン

バルセロナ二日目は、朝からまずサグラダファミリア教会を見学。 サグラダ・ファミリア。日本語では、聖家族教会とも呼ばれている。 あぁなるほど、英語だとsacred familyかぁ、などとひとり納得しながら、空港並みか空港以上に、かなり厳重な入り口ゲートの…

バルセロナ・独立問題に揺れるガウディの街

城塞都市カルカッソンヌを出発し、向かった先はスペインのバルセロナ。 フランスからの国境を越えて、少し走ったところのパーキングエリアでトイレ休憩。売店で働く若者たちと挨拶を交わせば、スペインに入ったことが実感できる。 休憩を終え、陽も落ちて暗…

カルカッソンヌ・城塞都市と女領主の伝説

マルセイユのホテルを朝、出発して5時間近くの移動。フランス南西部。スペインとの国境もそろそろ近づいてこようかという場所。歴史的城塞都市として、世界遺産に登録されているカルカッソンヌに入る。 カルカッソンヌに砦が作られはじめたのははるか紀元前…

マルセイユ・文化の交じり合う港町

胸に残ったエクス-アン-プロヴァンスでのひと時を終えて、しばらく移動。マルセイユの街に入る。 まず最初の驚きは、ワタシの近所でもお馴染みのホテルチェーン、東横インがどーんと店を構えていたこと。 日本からマルセイユに用事があり、またあるいは興味…

エクス-アン-プロヴァンス・白昼の葉陰とアトリエの頭蓋骨

カンヌを出発し、しばらく移動。エクス・アン・プロヴァンスへ。後期印象派の巨匠ポール・セザンヌが生涯描き続けたサント・ヴィクトワール山が、大きく左右に横たわるように視界の中へ入ってくる。描かれた数多くの作品で印象的な、三角形に近い山かげは、見…

カンヌ・国際映画祭の街で小さな蚤の市

ニースの宿を、朝出発してカンヌへ移動。国際映画祭の街である。 さっそく、会場となるパレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ前へ。 レッド・カーペットが敷かれる階段は人気の写真撮影スポットである。 道路を渡った小さな公園で、蚤の市が開かれてお…

ニース・活気あふれる保養地と、色彩の魔術

モナコからニースへ移動。『イギリス人の遊歩道』を意味するプロムナード・デ・ザングレに降り立ってみると、日光の直射は少し熱いが、風がさらっとしていて心地よい。 建物の外壁に丹念に描かれただまし絵、そして古い建物の外観など眺めつつ歩く。ニース・…

モナコ・地中海の宝石と激闘の記憶

宿泊地ジェノバの宿を出て、向かった先はモナコ。空は気持ちよく晴れている。 街の中心地へ向かうくねくね道で車窓から見上げれば、このモナコの街の背景にそそり立つ岩山はいつか頭上へ崩れ落ちてくるのではないかと思えるほどに高く、そこから続く急斜面に…

ヴェネツィア・海水迫る世界遺産の街

翌朝。前日までの疲れも抜けて、すっきりと起床。 朝の準備と食事を済ませてホテルを出発。イタリア本土から、まずは全長4kmのリベルタ橋を通ってヴェネツィア本島へ向かう。 橋を渡ったところにある乗り換え所から水上バスへ。乗船時間は長くないが、両岸に…

出発の日

ヨーロッパへ、出発の日。せめて午後の半日だけでも休みにできたら良かったのだが、なかなかそうはいかず、一日の仕事を済ませいちど自宅に帰り、準備しておいた荷物を持って、成田へ向かう。 成田空港からの出発は、二十歳ちょっと前の正月に、実家へ帰省す…

Patrick Fiori『Marseille』(2002)

南仏マルセイユ生まれのシンガー、パトリック・フィオーリ。2002年発表の、本人の名を冠したアルバムの収録曲。 アコースティックギターのアルペジオが心地よい。澄んだ歌声に込められているのは、少年時代を過ごした街への想いだろうか。 最近、繰り返し繰り…

旅の準備

今週の中盤から、ヨーロッパ数カ国に出かける。 きのう土曜日から、きょう日曜にかけての時間を利用して、ちょっと旅の準備。 移動時間、距離も長く強行軍となりそうな予感もあるので、出発前までには十分準備と体調を整えて、出来るだけよい状態で出かけた…

消費税

10月1日から消費税が10%に引き上げられた。軽減税率が導入され、酒類を除く飲食料品の持ち帰りや出前、宅配、新聞の定期購読は消費税率が8%で据え置かれる。 この据え置きについては、増税により高所得者層より低所得者層の方が負担が大きくなる『逆進性』…

遠くで異国語を聞きながら

さいきんフランス語の番組を、まるまる一日、テレビ画面に映していることが多い。 ものすごいテンポで語り伝えられる、事件や事故経済や社会・国際問題のひとつひとつ、詳細までを到底ワタシが理解できるワケはない。だが、テレビの映像に見入っているひとと…

急なお願い事に

きょう職場で、ちょっとした事情があり、ふだん付き合いもなにもない会社の担当のかたに、いきなり一通の書類を、電話で御願いすることになった。 真面目そうな男性。受け答えの声の明るさに、ちょっと安心させられる。 夜8時過ぎ、御願いした書類を受け取り…

シェイク・イット・アップ!

ロック界の、大きな損失がまた一人・・・。「カーズ」のリック・オケイセックが亡くなった。75歳。ニューヨーク・マンハッタンの自宅で15日、死亡した状態で発見された、と報道されている。 ラジオから流れるカーズのサウンドをいちばん聴いていたのは高…

穴を埋める。

長い間、更新をさぼってしまっていた・・・。 その間に、ぽっかりあいてしまった穴を、取り戻せるとは思わないが、何かで埋めてみたいと思う。 2018年 GW連休軽井沢へ出かける。まずまずのお天気だった。桜が美しくてびっくりした。 2018年 8月下田へ出かけ…

世界はもっと美しい

仕事帰りの道中で、ある広告が目に留まった。写真展の告知らしい。 東京カメラ部2018写真展開催場所は渋谷ヒカリエ。 写真展のテーマをつづった文章が添えられている。 なぜ人は、そして、このワタシも、カメラを持って街へ出るのか? 被写体を求める瞬間を…

『ブリット』(1968)

普段はまったく意識しないのに、ときおり、突如として発作的に、心と身体が何かを求めることがある。 長崎ちゃんぽんが、突然食べたくなる。芋焼酎のお湯割りが、とても飲みたくなる。森永チョコフレークを、思い切りバリバリ頬張りたくなる。そして・・・ …

Al Stewart 『Year Of The Cat』(1976)

十二支に、猫年がないのはなぜなんだろう?戌年も子年もあるのに・・・? 幼かったワタシの、そんな密かな疑問に答えてくれたのはテレビアニメ『まんが日本昔ばなし』だったか、 どこかで読んだ民話集だったか、もう忘れてしまったが 大まかないきさつはこう…

Paul Davis 『Cool Night』(1981)

カウボーイ・ファッションが一番ピッタリきそうな風貌からは想像がつかない(失礼!)透きとおる歌声。哀愁あふれるメロディー。 酒を飲みながら、しみじみ聴く一曲『Cool Night』。

四月一週目

四月に入った。 年度が替わり、毎日通う仕事場の体制も変わり、若手メンバーがひとり加入した。 変わらないのは、日々の慌しさだけ。 そんな一週間を終えて、きょうは土曜日。 これからの暮らしが快適となるように、収納、洗濯といった日々の生活環境に関わ…

三月最後の日に

午前中、とても重要な来客を、自宅に御招きする用件があった。 数日前からいろいろと気を遣い、時間をかけて準備万端整えてくれた妻のおかげで、とてもよい雰囲気のなか、無事に終了。 ささやかながら、御疲れ様の意味も込めて、近所の公園に出かける。 とき…

桜の季節

近所の公園では桜が満開だ。 この桜の季節、年によっては強力な春の雨風が来襲し、せっかく見頃の花びらを容赦なく吹っ飛ばしてしまったりすることもあるのだが、 ことしワタシの近所では、幸いにも穏やかな晴天のもと、静かに桜はその花をつけている。 日曜…

暖かな一日

昨晩禁酒して、けさは早めに起床。健康的で、すがすがしい休日の目覚めだ。 朝の散歩、兼買い出しのあと食事。雑誌を眺めたりして、午前中をのんびりと過ごす。 昼過ぎから外出。右上の歯の具合が悪く通院しており、本日、ファイバー製の立派な土台がたつ。…

おおシャンゼリゼ

最近放送されているフランスの国民的飲料オランジーナのCMで、想いを寄せる女性に花束を渡しそこね、ひとりしみじみ「セラヴィ」とつぶやくスマートな男性。この顔は・・・! 『ジャンヌ・ダルク』(1999)でのクールな武将、ジル・ド・レ役や、妻に強く勧め…

はげしい季節の変わり目

近所の公園の桜もほころび始めたのに、 昨日は朝から雨で、寒かった。会社で仕事をしていたら、雨粒は午前のうちからだんだん白く大きくなってきて・・・気づけばみごとな雪模様のお天気となっていた。 たまたま昨日の仕事内容は建物の外での行き来を繰り返…

『この世界の片隅に』(2016)

こうの史代さんといえば、『夕凪の街 桜の国』の原作漫画とその実写化映画が大好きで感動のあまり、一時期繰り返し繰り返し、見ていたものだった。 太平洋戦争末期の広島を舞台にしたアニメーション映画が日本映画専門チャンネルにて昨晩、放送されていたの…

Cactus 『Cactus』(1970)

1969年に結成されたアメリカのブルース・ロック・バンドカクタスのファースト・アルバムを、腰を据えて聴いてみる。 メンバーであるカーマイン・アピス(Dr)とティム・ボガート(B)が、こののちジェフ・ベックと結成することになるベック・ボガート & アピスの…