Al Stewart 『Year Of The Cat』(1976)

十二支に、猫年がないのはなぜなんだろう?
戌年も子年もあるのに・・・?


幼かったワタシの、そんな密かな疑問に答えてくれたのは
テレビアニメ『まんが日本昔ばなし』だったか、

どこかで読んだ民話集だったか、もう忘れてしまったが

大まかないきさつはこうだ

f:id:mamochan_again:20180408183119j:plain

昔々、動物達は喧嘩ばかりに明け暮れておったそうな。
ある年のこと、見かねた神様がこうお告げになる。
年が明けて元旦に、一番早く、
私のもとへ挨拶に来た動物を、リーダーとする。
次の年からは一年ずつ入れ替え制で、
十二位までの動物を順番にリーダーとしてゆく、と。

話を聞きつけた猫が、ネズミに尋ねたそうな。
「神様に御挨拶に行くのは、元旦でよいのかにゃん?」
ネズミ応えて曰く、
「いや二日の朝だよ。元旦は、みんなでのんびりするんでチュ~!」

そして元日の朝となり、勝負のときは来た。

ネズミは爆走する牛の背中に
ちゃっかり乗ってゴール寸前までのんびりし、
神様の御前で、すかさず飛び降り一位を獲得。
だまされて不参加となった猫は、恨みのあまり現在に至るまで
ネズミを見れば追っかけ回すことになったそうな。

めでたしめでたし(?)。

と、そんな猫の恨みは、これっぽっちも込められていないと思うが
直訳すれば『猫の年』という曲。

f:id:mamochan_again:20180408183736j:plain

吟遊詩人といえばボブ・ディランを思い浮かべるが、
こちらは愛の吟遊詩人とも呼ばれた

スコットランド出身のSSW、アル・スチュワート。
1976年発表のヒット曲。

摩訶不思議でファンタジックな詞の内容と、甘切なく
メランコリックな曲調。

桜も散り、少々肌寒い今夜の
耳と心に、なぜか心地よい。