カルカッソンヌ・城塞都市と女領主の伝説
マルセイユのホテルを朝、出発して5時間近くの移動。
フランス南西部。スペインとの国境もそろそろ
近づいてこようかという場所。
歴史的城塞都市として、世界遺産に登録されている
カルカッソンヌに入る。
カルカッソンヌに砦が作られはじめたのは
はるか紀元前3世紀の頃。
地理的な優位性により古くから争奪、攻防の激しかった地域である。
城塞都市の姿の堅固さが、それを物語る。
街の名前の由来となったとされるのは、
サラセン人による占領の頃、
フランク王にしてローマ皇帝、カール大帝が
攻勢を仕掛た際の一説である。
5年におよんだ包囲の中、夫亡きあとの騎士団を
率いていたのは女領主カルカス。
尽きかけた兵糧を確認してみれば、豚一頭と小麦の袋。
これを見て一計を案じる。
豚に小麦を食べさせ太らせて、塔から放り捨てたのである。
太った豚を捨てるぐらいだから、包囲による兵糧攻めは失敗と考え
大帝軍は撤退を決めた。
街じゅうの鐘が戦勝を祝しているなか、
撤退する大帝軍の一人がこう記した。
「カルカスが鐘を鳴らしている(Carcas sonne ; カルカ・ソンヌ)」
と。
城塞都市入りの前に、街のホテル一階のレストランで昼食。
カスレという郷土料理は、鶏やウインナーと
白いんげん豆を煮込んだもので、
日本の鍋料理の後の、熱々のおじやを思い出した。
ヨーロッパの街並みを背景に見ると
カッコよく見える日本車。この車種は好評なのか、
各地で毎回、とてもよく見かける。
ちょっと、灰色の雲が多かったこの日。
訪れるものを正面入り口近くで迎えるカルカスの像。
レプリカであり、実物は城内に展示されている。
城塞都市内には、興味深いお土産や食べ物のお店がたくさんある。
コンタル城内に入場し、城壁の上などを歩くルートを散策した。